不老不死の身体−道教と「胎」の思想/加藤千恵著 大修館書店 からの引用
胎児は母親の臍の下に位置する「気海(きかい)」(あるいは「丹田」)にたたえられる
「元気」によって育まれる。
この元気を服することが、人の生命の根本であるといえるだろう。
胎児を作り出せるほどの根源的な気は、なにも女性ばかりのものではない。
男性にもそういう優れた気が具わっているはずだと、男たちは信じた。
その自己の内なる元気を湧き水のように復活させ、
自分自身が自分の孕(はら)む胎児となってそれを吸い込み、
不滅のエネルギーを摂取する
−これがすなわち「胎息(たいそく)」の技法である。