断穀について『太清中黄真経』の注では、穀物自体というよりも、
穀物から生じる「穀気」を排除する必要があるという。
まずは穀物を断ち、気のみを服する。
これは、「穀気」が体内の根源的な気である元気を
衰弱させるのを防ぐためであり、また、
穀物を好み、人に欲を起こさせるという「三虫(=三尸)」を駆除するためでもある。
穀断ちをして五,六十日を経ると、
胃腸内が空っぽとなり、てっきり穀物の滓がすべてなくなったと思い込んでしまうが、
じつはまだ「穀実の精華」が涎(粘液)や膜と化して五臓六腑、関節、筋脈にまとわりついて残っている。
だから、かえって食のことが気に懸って堪えられない。
やがて、膿のような、血のような、あるいは変質した脂のような、鳥の糞のようなものが出てくるが、
それが「穀気」である。さらに二,三十日服気を続けると、粘液や膜のようなものが出てくる。
これが「穀実の精華」である。
これらがすべて取り除かれてこそ、諸脈、諸臓器がすっきりと通り、
内側から光で照らし出すかのごとく体内を透視できるようになる。
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